02年1月分小学科説教


サムエル記上二六章一―一二節  

説教題 寝る前のお祈り
 夜寝る前に、みんなお祈りしてるよね?今日は、「夜寝る前に、なぜお祈りをするか」という話をします。
 サウル、王様です。この王様は、強い王様です。とても強いので、「強いっていうことは、とても怖いことだ」ということもよく知っていた王様です。強いからこそ、臆病な王様でした。それで、自分よりも強い人がいると、殺そうとします。この王様は、ダビデさんという人をねらっていました。自分よりも強いからです。何千人という兵隊を連れて、このダビデさんの命をねらいます。後一息でダビデさんを殺すことが出来ます。大きな陣地をつくりました。夜になり、入り口には何人も見張りの兵隊を置き、寝るために横になりました。
 その日は、静かな、特別に静かな夜でした。物陰一つ動かないその夜に、二つの人影がサウル王の陣地の中に入り込みました。ダビデさんと、仲間のアビシャイさんです。見張りの兵隊もみんな寝ているのです。二人はいとも簡単にサウル王の枕元までいきました。そこには槍が刺してあります。敵が来たらそれで迎え撃つつもりだったのでしょう。しかし起きているのはダビデさんたち二人だけです。手を伸ばして槍をつかみ、サウル王を殺すことは、今なら簡単に出来ます。殺せば、もう追われることはなくなるのです。アビシャイさんは槍に手を伸ばし、サウル王を殺そうとしました。しかし、ダビデさんはそれを止めました。「主が油を注がれた方に、私が手をかけることを主は決してお許しにならない」。二人はその槍と水差しを抜いて、それを持って静かに立ち去りました。「この眠りは神さまが与えた特別の眠りだから、そのままにしておこう」。
 それがダビデさんの信仰です。ダビデさんは、サウル王よりも強い人でした。それは、自分の強さが神さまに与えられていることをよく知っていて、そして夜眠る時に神さまにお祈りすることの意味を、よく知っている人だったからです。そしてサウル王は、自分よりずっと若いダビデさんに何度も教えられてきました。眠るっていうのは、神さまに守られて安心していられることなんだ、安心して寝てていいんだよ、って。
 神さまは、人間が夜に眠るようにお造りになりました。一日の中には、必ず夜があります。同じように、人生の中にも、必ず夜があります。その人がどうやって起きていようとしても、起きていることが出来ない、夜です。その夜に、安らかに眠りについて、そしてもしかしたら夢の中でイエスさまにあうことが出来るように、みんなお祈りをして寝るのです。
           (玉川平安教会伝道師 上田彰)

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