教会法、特に議長不信任を巡って(33教団総会)
問い:議長不信任について教えてください。
答え:教規10条により、議長不信任が可決した場合にも、議長席から降りることはあっても議長職から解除されることはありません。挙手による有効投票総数の3分の2で成立、有効な期間はその議題に限ってというのが大まかに言って妥当な対応でしょう。より厳密な体裁をとれば、優先議案、他の構成員が発言していないとき、セコンドが必要、討議・修正は不可といったところです。
問い:しかし、33教団総会では過半数でおこなわれました(結果:否決)。興味深いことに、「ロバート議事法」にも「議長不信任」の手続きは明記されていません。
答え:ロバート議事法はあくまで基本的なことしか記されていないので、ここから応用するしかないでしょう。まず重要なのは不信任の理由です。病気・けがなどによる退席なら議場の挙手なしに教規11条を適用すべきですから、議事規則に違反していることが明白であるというのが議長不信任を提案した唯一の理由でしょう。この場合、「明白」でなければならないので、討論の必要はありません。また秘密投票にする理由はありませんので、挙手によります。3分の2である理由は過半数の賛成によって選出した議長を不信任する手続きだからです。ロバート議事法では議長選挙の手続きが議場の意志と連続していない場合も取り扱っているので、ここに挙げられている例から類推すれば単純に考えれば過半数です。しかし教団総会では「議長選挙の件」を議案として取り扱っているので、議長職の任命は総会がしているわけですから、それにふさわしい扱いをすべきでしょう。いずれにせよ、この動議の可決によって、議場は「この議題について、議事規則に違反する者が議長席を占めることを排除する」ことを決したことになります。したがって、現在議事をおこなっていない者、例えば副議長席に座っている者を不信任にかけることは原理的に不可能です。
問い:その会期全体に渡って議長の不信任をかけたい場合、あるいは副議長席に座っている者に不信任をかけたい場合にはどうなるでしょうか。
答え:手続き的には議事進行動議ではなく緊急議案を提案することになります。先ほど説明したのは別の議案の審議途中だったので、優先議案、それも最緊急の優先議案として処理した例です。独立した議案として「議長不信任の件」をかければその会期の間、議長が議長席を占有することを排除することが出来ます。
問い:議長職から解除して再選挙をおこなう議案を提出することは可能でしょうか。
答え:「任期」というのはその期間、ある人を議長席にとどめるための制度ですので、難しいと思います。教憲5条は当然教憲・教規の元でのみ「総会が最高政治機関である」ことを謳った条項です。
(教規第10条及び先例集、ロバート議事規則)
2003/04/17(木)
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